ビジネス上の課題
多くの金融機関は、幾重にも積み重なったIT資産の上で業務を行っています。容易には変更できない勘定系システム、その周囲に異なる年代に構築されたチャネルアプリケーション、そして品質にばらつきのあるAPIで接続され、拡大を続けるフィンテックパートナーの輪です。組み込み型の融資サービス、リアルタイム決済網、刷新されたオンボーディングの導線など、新たなプロダクトはいずれもこのIT資産を経由しなければならず、そのたびに照合作業とオペレーショナルリスクが増え、顧客データがコピーされる場所がまたひとつ増えていきます。
同時に、監督当局は説明可能な意思決定、完全な監査証跡、実証可能なオペレーショナル・レジリエンスを求め、顧客は時間を問わず即座の回答を期待しています。各チームには、不正検知のトリアージ、与信業務、顧客サービスへのAI導入が求められていますが、追跡、テスト、上書きのできないモデルの出力は、価値よりも大きなリスクを生みます。エンジニアリング上の問いは、もはやモダナイズするかどうかではありません。事業と規制当局が依拠する基幹システムを不安定にすることなく、インテリジェンスと新たな決済基盤をいかに追加するかです。
業務上の課題
iQsolutionsによる解決策
- 01
勘定系システムの硬直性
勘定系システムやカードプラットフォームは正となる元帳を保持していますが、外部に提供するのは限定的でバッチ処理中心のインターフェースです。その結果、新たなデジタルプロダクトはシャドー残高と夜間の照合処理を維持せざるを得ず、ローンチが遅れるうえ、数値が正式な帳簿とひそかに食い違いかねない箇所が増えていきます。
iQsolutionsによる解決策
置き換える前に、まず勘定系をラップする
勘定系システムの周囲に、十分に文書化されたAPIとイベントのレイヤーを配置し、新たなプロダクトがデータをコピーするのではなく、正となるデータを直接利用できるようにします。そのうえでモダナイゼーションをドメインごとに進め、変更すべき明確な事業上の理由が生じるまで、元帳には手を加えません。
- 02
分断された顧客データ
顧客、口座、接点履歴のデータが、チャネル、CRM、サービシングの各システムに分散しています。統制され、同意に基づく統合ビューがなければ、オンボーディングでは同じ質問が繰り返され、不正の兆候の把握は遅れ、顧客から連絡があった際にもリレーションシップマネージャーは断片的な情報に頼って対応することになります。
iQsolutionsによる解決策
イベント駆動型のデータ基盤
取引、顧客イベント、案件の結果を、リネージを備えた統制されたイベントストリームとして取得します。同じ基盤がリアルタイムの不正スコアリング、規制報告、分析に活用されるため、新たなユースケースごとに統制を作り直すのではなく、既存の統制を再利用できます。
- 03
説明可能性とモデルリスク
与信、不正検知、AML(マネー・ローンダリング対策)のモデルは、監督当局が厳しく精査する意思決定に、ますます大きな影響を及ぼしています。SR 11-7ガイダンスに示されているようなモデルリスク管理上の要請は、文書化されたリネージ、検証、モニタリングを求めていますが、実験主導のAIプロジェクトでこれらが組み込まれることはほとんどありません。
iQsolutionsによる解決策
人が責任を持つAI
AIコンポーネントは、承認済みの情報源からの検索、構造化された出力、評価スイート、レビュー担当者によるチェックポイントを備えて開発します。すべての推奨事項について入力と根拠を記録するため、アナリストはそれを上書きでき、モデルリスク管理チームはそれを検証できます。
- 04
決済モダナイゼーションへの圧力
ISO 20022メッセージング、即時決済スキーム、オープンバンキングAPIは、データの豊富さとタイミングを同時に変えます。日次のバッチ処理を前提に設計されたシステムが、制裁スクリーニングや例外処理を弱めることなく、構造化されたリアルタイムのメッセージを処理しなければならなくなっています。
iQsolutionsによる解決策
パイプラインに組み込まれた統制
PCI DSS、SOC 2、ISO 27001を踏まえたエンジニアリング手法をデリバリーに組み込みます。具体的には、カードデータのトークン化、最小権限アクセス、シークレット管理、改ざんできないログ、そして貴社自身のコンプライアンスプログラムを支援するエビデンスの自動収集です。
リファレンスアーキテクチャ
- デジタルバンキングアプリ
- アドバイザー向けワークスペース
- パートナー向けAPI
- 業務コンソール
- 不正スコアリング
- 与信判断
- アラートトリアージエージェント
- 根拠に基づくアシスタント
- APIゲートウェイ
- イベントストリーミング
- ISO 20022メッセージング
- オープンバンキングAPI
- カスタマーデータプラットフォーム
- 取引データレイクハウス
- フィーチャーストア
- 監査台帳
- 勘定系システム
- カード処理基盤
- HSM・シークレット管理
- ハイブリッドクラウド
インテリジェントな自動化の機会
不正検知・AMLアラートのトリアージ
モデルとエージェントが、取引履歴、取引相手に関する情報、過去の案件メモでアラートを補完したうえで、アナリストが確認するための処理案を作成します。アナリストは、証拠の収集ではなく判断に時間を使えるようになります。
書類の多いオンボーディング
インテリジェント文書処理により、本人確認書類、財務諸表、法人の登記・届出書類からデータを抽出して相互に照合し、不一致や信頼度の低い項目のみをKYCおよびKYBの審査担当者に回付します。審査担当者は、抽出されたすべての値を元の画像と並べて確認できます。
決済例外の修正
却下または保留となった決済について、ISO 20022メッセージの内容、参照データ、過去に承認された修正内容から修正案を生成します。オペレーション担当者が各修正案を承認または修正し、適用されたすべての変更は監査レビューのために記録されます。
根拠に基づくサービス対応支援
アシスタントが、承認済みの商品資料と口座の状況に基づいて、従業員や顧客からの質問に回答します。苦情、経済的困窮、脆弱な状況にある顧客に関わる依頼の場合は、会話の全内容を添えて担当者に引き継ぎます。
製品・プラットフォームの機会
エンベデッドファイナンス・プラットフォーム
融資、口座、決済の機能を設定可能な形で、統制されたAPIを通じてパートナーに公開するプラットフォームです。同意、限度額、価格設定ルール、パートナー単位のレポーティングを単一のコントロールプレーンで管理するため、個別開発を行うことなく新たな販売パートナーを迎え入れることができます。
リスク業務向けアナリストコパイロット
不正検知、AML、与信の各チーム向けに、案件管理、規程や手順書を対象とした検索、AIが下書きする所見の記述を組み合わせたワークスペースです。すべての提案はその情報源までたどることができ、最終的な判断はすべて、指名された担当アナリストが行います。
リアルタイムの資金・流動性ビュー
口座、法人、決済網をまたぐポジションを、継続的に更新されるひとつのビューに集約するプラットフォームです。日次のレポートやスプレッドシートよりも早い段階で、流動性と決済に関するエクスポージャーについての警告を財務チームに届けます。
関連ソリューション
関連インサイト
金融プラットフォームのロードマップについてご相談ください
決済基盤の刷新、オンボーディングの再設計、リスク管理チームが慎重な姿勢を示しているAIユースケースなど、具体的な取り組みをお持ちください。貴社の技術部門およびコンプライアンス部門の責任者とともに、アーキテクチャの選択肢、統制面への影響、そして妥当な最初のステップを検討します。