ビジネス上の課題
クルマはソフトウェアプラットフォームへと変わりましたが、自動車業界の企業の多くは、いまだに年単位の製品サイクルで動いています。コネクテッドカーはテレメトリーを継続的に送信し、OTA(無線)アップデートを受信し、モバイルアプリ、充電ネットワーク、サービスシステムとやり取りします。こうした接続の一つひとつが、バックエンド側の責務を生みます。フリート規模でのデータ取り込み、IDと同意の管理、キャンペーンのオーケストレーション、そして発売後も長年にわたって公道を走り続ける車両への長期サポートです。
こうしたソフトウェアをめぐる規制も厳しくなっています。UNECE WP.29のR155とR156はサイバーセキュリティ管理システムとソフトウェアアップデート管理システムを求め、ISO/SAE 21434はサイバーセキュリティエンジニアリングのあり方を方向付け、ISO 26262に基づく機能安全は、車両制御に近接するあらゆる要素の設計に影響を及ぼします。一方、ディーラーやサービスネットワークは、一貫した所有体験を提供するために診断データと顧客データを必要としています。自動車業界のリーダーに必要なのは、業界の安全、セキュリティ、ライフサイクルに関する規律を尊重しながら、車両を中心としたクラウド基盤とデータ基盤を構築できるエンジニアリングチームです。
業務上の課題
iQsolutionsによる解決策
- 01
フリート規模の車両データ
多数の車両から届くテレメトリーは、シグナルカタログ、ファームウェアのバージョン、通信品質がまちまちです。生のシグナルを信頼性が高く明確に定義されたデータプロダクトに変換するには相当なエンジニアリング作業が必要ですが、多くのプログラムではその負荷が過小評価されています。
iQsolutionsによる解決策
コネクテッドカークラウド
MQTTと確立されたクラウドIoTパターンを用いて、車両フリート向けのデータ取り込み、デバイスID管理、コマンドの各サービスを構築します。シグナルの正規化は、COVESA Vehicle Signal Specificationなどのモデルに沿って行います。
- 02
ソフトウェアライフサイクルとOTA
OTAキャンペーンでは、適切な車両構成を対象とし、ソフトウェアの依存関係を守り、中断したインストールから安全に復旧し、監査可能な記録を残す必要があります。いずれも、UNECE R156に基づくソフトウェアアップデート管理の要件と、クライアントの型式認証上の義務に沿ったものでなければなりません。
iQsolutionsによる解決策
安全とセキュリティの明確な境界
クラウドとアプリのコンポーネントは、車両制御機能から明示的に分離して設計します。ISO/SAE 21434のプラクティスを踏まえた脅威モデリングを行い、クライアント自身のR155およびISO 26262のプロセスを支援するドキュメントを整備します。
- 03
ライフサイクル全体にわたるサイバーセキュリティ
UNECE R155とISO/SAE 21434は、車両のライフサイクル全体にわたる脅威分析、監視、インシデント対応を求めており、セキュリティ上の責任は、車両とやり取りするクラウドサービス、アプリ、APIにまで及びます。
iQsolutionsによる解決策
データの寄せ集めではなく、データプロダクトとして
テレメトリーを、走行サマリー、バッテリーの健全性、診断イベントといった、ガバナンスの効いたデータプロダクトに整理します。同意内容を確実に適用し、データの責任者を明確にすることで、エンジニアリング、品質、サービスの各チームが信頼して利用できるようにします。
- 04
分断された所有体験
販売、ファイナンス、整備、コネクテッドサービス、充電は、別々のシステムや組織で扱われることが少なくありません。オーナーはばらばらのアプリや同じ質問の繰り返しに直面し、OEMは顧客と車両を一貫した形で把握できていません。
iQsolutionsによる解決策
エコシステムとの連携
ディーラー管理、整備予約、充電ネットワーク、ファイナンスの各システムを、ガバナンスの効いたAPIとイベントストリームで接続します。すべての関係者にひとつのシステムを押し付けることなく、OEM、ディーラー、パートナーの各タッチポイントにわたって一貫した所有体験を実現します。
リファレンスアーキテクチャ
- オーナー向けモバイルアプリ
- ディーラーポータル
- フリートコンソール
- 車載サービス
- 予測型サービス
- バッテリー健全性分析
- 市場品質の検知
- サービスアシスタント
- デバイスID
- OTAオーケストレーション
- リモートコマンド
- 同意管理
- シグナルカタログ(VSS)
- テレメトリーデータレイク
- 保証データ
- 車両のデジタルツイン
- テレマティクス制御ユニット(TCU)
- AUTOSAR対応ECU
- 充電ネットワーク
- セルラー通信・V2X
インテリジェントな自動化の機会
予測型サービス
故障診断コード(DTC)、利用パターン、部品の健全性シグナルから、近いうちに点検や整備が必要になりそうな車両を特定します。部品の在庫状況と技術者の対応可能枠を考慮したうえで、オーナーへの先回りした連絡とディーラーでの予約調整を促します。
市場品質問題の検知
テレメトリー、保証請求、技術者のメモを横断的に分析し、部品、サプライヤー、生産時期、ソフトウェアバージョンごとに、新たに生じつつある問題を浮かび上がらせます。品質エンジニアは、保証請求の件数だけに頼る場合よりも早い段階で、調査の根拠となるデータを得られます。
OTAキャンペーンのオーケストレーション
キャンペーンツールが対象車両をセグメント化し、ロールアウトを段階的に展開し、成功・失敗のテレメトリーを監視して、エラーがしきい値に達すると自動的に一時停止します。各段階への移行とすべてのロールバックの判断は、エンジニアが管理します。
サービスアドバイザー支援
整備マニュアル、技術サービス情報(TSB)、個々の車両履歴に基づくアシスタントが、アドバイザーや技術者による不具合の診断と、オーナーへのわかりやすい修理内容の説明を支援します。回答ごとに、その根拠となる文書を示します。
製品・プラットフォームの機会
コネクテッドサービスプラットフォーム
リモート空調操作、位置情報サービス、利用ベース保険(UBI)のための同意に基づくデータ共有といったサブスクリプション機能です。同意状況を考慮するクラウドプラットフォーム上に構築し、ひとつのコードベースで複数のブランド、市場、地域ごとのプライバシー規則に対応します。
EVオーナー向けエコシステム
充電、ルート計画、家庭のエネルギー管理、バッテリーの健全性を統合した体験です。OCPIを通じて公共充電ネットワークと、さらにエネルギー事業者と接続し、航続距離、コスト、バッテリー寿命についてEVオーナーが抱く実際的な疑問に応えます。
ディーラー・アフターサービスのモダナイゼーション
車両履歴、コネクテッド診断、整備予約、顧客コミュニケーションを組み合わせた統合ディーラープラットフォームです。ディーラーとOEMが各車両のライフサイクルを共通の視点で把握できるようにし、分断された販売システムとアフターセールスシステムの間の受け渡しを減らします。
関連ソリューション
コネクテッドカープラットフォームについてご相談ください
車両データ、OTAツール、所有体験のどこに不足を感じているかをお聞かせください。貴社のエンジニアリング部門およびデジタル部門の皆様とともに、クラウドアーキテクチャ、セキュリティ上の考慮事項、連携の選択肢について検討します。